近くて遠い所。 なんどこの言葉を反芻しているだろうか…? 今の自分に一番寄り添っている言葉だからだろうな。 ほんの少し前、びゅんと飛行機に乗って日付変更線を超えて日本へ帰って来た。 1年と10ヶ月ほど日本の時間をパッツンと切って異国の地での生活。それをたった?13時間という飛行機の移動の中で再び日本へ。 それも、はじめてANAに乗って帰ってきたのです。 アメリカの国内線に慣れてきた私にとって、そのサービスの違いにあまりに驚かされて… ブランケットはタダ?イヤホンもついてるの?!食事の後にハーゲンダッツのアイスのサービスが!驚きの連続の中、冷たいバニラアイスを口に含むと涙が出て来た。 おいしいからではない。 嬉しいからではない。 まして、感動でもないのはわかっていた。 ただただ、抑圧されていたんだなぁ。と自分自身納得。 ものすごく日本に帰りたいとかそんな感情はなかった。できればもう少し… そんな自分でも緊張して生活していたのだな。 アメリカにいた頃についつい手にしていたのも海外で生活した事がある人の本が多かった。 高校以来久しぶりに神谷美恵子の「生きがいについて」「心の旅」も読む。卒業間際のころ、担任のN先生に「これ読んでみたら?」と、渡されたのがそもそもの出会い。あの頃も危うかったんだろうなぁ…私。 まぁ、とにかく機内からすでに「日本」へ一瞬にして切り替わりました。 おそろしいほど早いものです。 それもすでに「あれ?海外にいたんだっけ?」と、自問するほどです。 そして、いくつもの引越を繰り返して来たといってもしょせん「東京」という中だけでした。 今、東京をほんの少し離れたこの場所もある意味私にとっては異国のような地。 近くて遠い所。 帰国してから思わぬ事が重なり、なかなか人に会うのもままならず、この微妙な東京までの距離感がさらに「近くて遠い所」にしているような気がします。 それもまた良し。 歳を重ねていくとそんな場所がたくさんあるような気がしているのは気のせいでしょうか? 「人生は旅の過程」の方がしっくりとくる私は「日常は旅」とは言い切れず「近くて遠い」という距離感を楽しみ噛み締めながら綴ります。 「遠くて近い」のではないの。「近くて遠い」です。 さて? #
by mono-prints
| 2009-06-25 00:25
| 日々
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